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性能表示基準の劣化対策等級は、シロアリの害や木材の腐朽に対する処置についての基準です。耐震等級・耐風等級は建物のデザインによる影響を考えながら考慮するべき基準ですが、この劣化等級に関する基準は、作り手の建物に対する基本姿勢に関わってくる基準です。
遣戸(やりど)=引き違い戸や障子戸 蔀(しとみ)=当社仕様、横滑り出し窓
徒然草は1330年(鎌倉時代後期)に吉田兼好が書いたとされる随筆です。700年近い時間の流れがあっても同様に大切な点は建物の風通しの良さという事ではないでしょうか?
建物の風通しというと、開口部の配置(南を大きく北を小さくとか)を思い浮かべる所ですが、木構造の風通しという点で私共の仕様と劣化等級についてご案内します。
−−−−外壁の通気構造−−−−
劣化対策等級3を満たす条件
1.外壁の通気構造
2.土台の防腐・防蟻処理・水切設置
3.耐久性区分D1の製材・集成材 小径
120mm以上
4.地上1m以内の合板の薬剤処理
5.小屋裏の換気処理・基礎の換気口
6.ベタ基礎・立ち上がり400mm
私共の仕様は等級3です。
外壁の通気構造は右図の収まりとなっています。この施工事例の場合、2F天井を勾配天井に仕上げたので小屋裏がありません。
小屋裏換気の必要はないのですが、フクフォームルーフ(屋根断熱材)を使用することにより屋根面にも30mmの通気層を形成しています。(フクフォームルーフについては断熱ページで)
通気ルートは土台水切りの下側から床下通気、上側から外壁通気 、軒先で通気見切りから流入した空気と一緒に屋根通気層を通り棟木のベントキャップから排出される流れになっています。
外壁の金属サイディングが縦張りなので通気層の胴縁は水平方向に施工することになります。
455mm間隔で上方向に施工するため、通常の木材ではスムーズに通気が出来ないため、エアホール胴縁を採用しています。
大壁構造(構造木材が壁によりくるまれた構造)の木造住宅における通気は非常に重要です。暗くて湿気の多い所にカビが生えやすいことは、周知の事です。
現代の建材は内外とも密閉性がよく、通気層無しだと木材の存在環境が非常に息苦しく感じられます。
上棟後、構造面材を全面に施工するのですが、通気性の良くない建材だとせっかくの通気層もその力を十分に発揮することが出来ません。
ならば、構造面材はいらないだろう、透湿防水シートもいらないよ。という事にもなるのですが、それぞれ別の利点があります。構造面材は壁面を均一面に仕上げるため、安定した通気層確保に有効です。
木造住宅の施工上、私共が一番大切に感じていることは、建材同士の調和です。また鉄筋コンクリート造建物等よりも細かい建材の調和を気にしながら施工するのが木造住宅の本質と感じています。
調和を気にするとはどうゆうことか?
個々の建材特性に精通しメリットが相反する建材同士の整合性を高め一定の条件下で建物として成立させる事。と考えています。