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木構造工事が適用される性能表示基準は、以下の5種類です。
1.『耐震等級1.2.3』(構造躯体の倒壊等防止)
2.『耐震等級1.2.3』(構造躯体の損傷防止)
3.『耐風等級1.2』 (構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)
4.『耐積雪等級1.2』(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)※多雪区域のみ(1m超えの積雪地域)
5.『劣化対策等級1.2.3』( 躯体の劣化軽減)
各性能表示基準の定義は下記リンクをご覧下さい。
−−−施工例建物の木構造−−−−
私共のつくる建物は木造軸組工法です。
木造建物の耐震・耐風強度は枠組み工法(ツーバイフォー)も含め耐力壁の強度と長さで表されます。
上図は構造面材(ダイライトMS9mm)と筋交(スジカイ)断面45mm×90mmの2種類で
形成された耐力壁です。
耐力壁を構成する建材はそれぞれに強さを現す数値があり、
45mm×90mm断面の筋交は1本で2倍、ダイライトMS9mmは2.5倍です。
同じ柱間に存在しているので、この柱間の耐力壁強度は2+2.5=4.5倍
この数字と柱間距離91cmをかけると、91cm×4.5=409.5cmとなり、
耐力壁の強度を現す数値となります。※耐力壁強度単位はcm固定です。
耐力壁構成に使われる建材
木製筋交
15mm×90mm=1倍 30mm×90mm=1.5倍 45mm×90mm=2倍 90mm×90mm=3倍
それぞれダブル使いだと2倍、3倍、4倍となり90mmだけは5倍となります。
構造面材
構造用合板9mm 2.5倍 構造用合板12mm 2.5倍 ダイライトMS 9mm 2.5倍(当社仕様)
ダイライトMS 12mm 3倍
ダイライトMS9mmは強度的には構造用合板と変わらないのですが、
通気性と耐火性に優れているため採用しています。
メーカーwebサイト http://www.daiken.jp/dailite/eie/ie03.html
−−−耐震等級・耐風等級基準との比較−−−−
耐震等級の2種類と耐風等級のこの施工事例における建築基準法レベル(等級1)の数値を図面より算出します。算出のために必要となる数値は各階の床面積及び見付面積です。見付面積とは風の影響を受ける建物 縦(y)横(x)立面の面積です。(y,x共面積の大きい方を基準にします。)
下記リンクに図面を貼り付けておきました。ご参照下さい。
下記軸組図より
1階 X方向耐力壁2,426.7cm/1,544.83cm(等級1)=1.57倍
Y方向耐力壁3,624.7cm/2,350.00cm(等級1)=1.54倍
2階 X方向耐力壁1,729.0cm/ 807.30cm(等級1)=2.14倍
Y方向耐力壁1,789.7cm/1,093.00cm(等級1)=1.63倍
となり耐震等級・耐風等級と照らしあわせると1.5倍を下回る数値が無いので、
この施工事例は耐震等級3耐風等級2を判定されます。
−−−耐震・耐風等級について−−−−
下記軸組図を見るとお解りになると思いますが、構造面材(ダイライトMS9mm)は1階ではA1.A2.A3、2階ではC1.C2.D1.D2にしか記載されていませんが現場では建物全面に施工しています。
すべて耐力壁として算入すれば、数値が上がっていいじゃないか・・・と思われる方もいるでしょうね。
なぜすべての耐力壁を算入しないかというとアンカーボルトや引き寄せ金物等の縛結要件(N値計算による)が耐力壁構成上付帯要件になっているため、必要以上に金物を取り付けたくないからです。木材は植物性建材ですからね。
申請時もその辺りは考慮されています。
耐震等級2と3の違いですが、1.25倍と1.5倍は耐力上大きな違いはないように思われます。
実際、B3の筋交を2本抜くだけでこ施工例の等級は等級1に変わります。
耐力壁はバランス良く配置する事が大切で、そのバランスの加減を計算したものが偏心率、充足率です。下記にリンクを張っておきました。ご覧になって下さい。
この施工例の場合、開口のバランス・上下階のデザインの バランスがとれているので当然の結果として偏心・充足率とも良いデータとなっています。
耐力壁の計画にあたっては、お施主さんの好みによる建物デザインが荷重バランスの良くないものでも、いかに耐震・耐風性を高めるか、ということに重点を置いて計画しています。