多能工生活その3
材料の拾い出しも終え、いよいよ施工の段取りを考えなくてはなりません。
まずは必要な工具の検討です。もともと道具マニアだったため、
大工工事関連の道具は揃えていましたが、
水道用となるとちょっとした手道具位しかありませんでした。
塩化ビニールライニング鋼管を加工するには、ねじ切りと呼ばれる機械が必要になります。
ビニールパイプを鋼管で被覆した給水管、湯用と水用がある。
手動式のものもありますが、大工道具を揃えたときの経験上、
ハイグレードマシンは加工精度が高い。
というのが解っていたため、自動式のマシンの購入を検討をはじめたのですが、
たっ高い、定価32.5万円!・・・・・・・・・・・・・・・![山梨工務店](image4.gif)
と感じたのは数秒で、 元来の道具好きの私としては、
『この道具を買わせてもらうチャンスをいただいたのだ。』
と考え、問屋に発注の電話を入れたのでした。
実際に使ってみて、とても感動しました。
鋼管の切断もスムーズです。
なんのへんてつもない鋼管が、このマシンをとおすことによって、
正確なねじ山が生まれるのです。
『鉄をこんなに正確に加工する道具を所有しているのだ。』
という事に幸せを感じてしまいました。・・・・・・・・・・・・
かなり重傷な道具マニアです。
あとで知った事なのですが、
管材卸売り店では鋼管のねじ切り・切断サービスをやっているとの事。
事前に知っていれば、購入をちょっと悩んだかもしれませんが、
そうゆうサービスが存在するということは、水道屋さんでもねじ切りを所有していない
ところもあるのかな?とも思いましたが、きっと大口径鋼管の加工時のことなのでしょう。
住宅の給水給湯工事の場合、水道メーターから屋内への引き込み工事では、
地中部をHIVP内径20mm、
屋内の立ち上がり部に塩化ビニルライニング鋼管内径13mmを使用します。
HIVPはねじきりの必要はありませんが、住宅用給水工事では、
内径13mmと内径20mmの2口径だけで構成されているため、使用するねじきり口径も
その2種類だけで事は足ります。(購入した機械は2口径切り替え式)
さや管ヘッダー工法でも、水道メーターからヘッダー部までの接続には、
HIVP・ライニング鋼管を使った施工が必要になります。
ねじのメス側はその接続に応じ、エルボやチーズ等、様々なアタッチメントが存在します。
自分で施工してみて再認識出来た事は、
・よい材料と精度の高い機械による施工の重要性。
・座学による情報の蓄積が、自ら施工することによって、より理解を深める事ができる。
という点です。
また同時施工の工種を増やすことによって、
効率的に建築が進む事を実感した初めての現場でした。
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・・・・・と高価なねじ切りマシンを購入したにもかかわらず、
現在私の現場では、ライニング鋼管を使用するカ所には
ステンレス管を使用しています。
ステンレス管は専用プレス機にての施工となり、
ねじ切り機の登場はこの先まず無さそうです。