多能工生活その2
細かく建築部材を拾い出しはじめると、いままで気がつかなかった事がたくさん出てきます。
たとえば給排水工事の場合だと、エルボやチーズの位置。
それまでは水道施工業者に渡す図面は、排水桝、浄化槽、水道メーター等を図面に記載
(実際はCADの部品データーを張り付け)して、湯・水の水栓位置まで線を引っ張るだけでした。
パイプスペースを設ける場合でも、
実際の分岐箇所は水道施工業者まかせの部分が多かったものです。
※パイプスペース=配管類を1カ所にまとめるためのスペース PSと表記される。
※エルボ=給湯・水の曲がり部分に使う部品
チーズ=T型の分水部品、それならテーズだろ、と思うのだけれど現場ではギャル発音でチーズ
当時、曲点や分岐点の数が、水道施工業者からの請求額に反映されるのにもかかわらず、
その程度の図面を渡して、施工させる訳ですから、お施主さんへの見積もり金額も、
過去の事例から、同規模のデータをひっぱりだして安全率を掛けたものにしていました。
※その程度の図面=図面を見慣れない人が見ると、結構りっぱで、有無を言わせにくい絵
※安全率=施工業者からの請求額がはっきりしない場合、多めに金額を乗せるための割合
いつかは改善しなければならないと思いながらも、お施主さんへの全体での値引きや
サービス工事などで帳尻を合わせていたものです。
一通りの部品を、CAD画面上に部品データとして作成し、張り付け、それぞれの数量を
拾い出し単価を調べました。 次に表計算ソフトにデータを入力し、材料費の合計を算出
しました。 当時、驚くほど安価な金額が、合計覧に表示されていたのを覚えています。
が、しかし・・・・・誰が施工するの?
-------------------------------------------------------------------------------------------
本文の水道管施工材料は、地中埋設部を HIVP
(ハイビニールパイプの略、青黒い色をしている。)
立ち上がり部を塩化ビニールライニング鋼管(ビニールパイプを鋼管で被覆したパイプ)
で施工しましたが、最近の給水工事の主流は、サヤ管ヘッダー工法です。
サヤ管ヘッダー工法
架橋ポリエチレン管・ポリブデン管をガードフレキと呼ばれるチューブの中に入れ
ヘッダーと呼ばれる分水器から、各湯水の水栓までストレートにつなぐ工法です。
この工法は、ヘッダー部分と各水栓までの間に、分岐や角度のきつい曲がりがなく、
スムーズに給水できる点と、施工性のよさが特徴です。
施工時間の大幅な短縮が計れ、コストパフォーマンスに優れています。