5・6年前、『屋外トイレの建て替え』という仕事をしたときのことです。
床面積は1畳程度(0.5坪)で、お施主さんの要望は、
基礎コンクリートをしっかり立ち上げて、木造で作ってほしい。というものでした。
2時間で計画・積算完了♪などと思いながら、事務所に帰り、
CADと表計算ソフトを立ち上げて、基礎施工図を作成、
※CAD=設計製図用ソフト
基礎コンクリート立ち上がり長さから、金額を算出していやな予感が・・・・
当時の基礎工事積算データは、新築建物で1階床面積が15〜20坪程度を
想定した物でした。(材工供価格)
※材工供価格はメルマガVOL001をご覧下さい。
基礎工事を施工する場合、その工程数は0.5坪も20坪も同じ手間がかかります。
※工程はHP基礎工事現場施工を参照下さい。 こちら
どうゆう点が都合が悪いかと言うと、既存トイレ解体を含め、各工程が
半日から1・2時間程度しかかからず、またコンクリート養生を必要とする工程の前後は、
連続した現場施工ができないためです。またその間に、給排水管の埋設工事等、
違う種類の施工も必要になります。同じ人間が施工すれば施工上のロスが、
省かれるのですが・・・・・
VOL.001でご紹介した材工供の価格は、施工費を1日単位で想定したものですから
こういった小規模工事の場合には、価格決定上不都合が生じます。
通常、材工供価格で積算するのが適当でない場合、
各施工業者と打ち合わせをして工事価格を決定するのですが、
やはり割高な価格にならざるを得ません。
同じ理屈が他の工種にもあてはまり、トイレ新築というこの工事の場合、
その工種の数は通常の居住用新築工事と、ほぼ同じになります。
この工事を通常の施工の仕方で行った場合、100万円位の価格が予想されます。
トイレの仕様については、お施主さんの要望がでていましたが、予算の上限等、
金額については明言されておられませんでしたので、とりあえず、施工図面を作成し、
施工業者と打ち合わせをして積算をしようか、とも考えたのですが・・・・・
その数日前、流通卸会社を経営している友人との会話を思い出しました。
彼は、『建設業界は価格を決めるのに、まずは積算という考え方をするから
からだめなんだよね。ぼくらの業界はお客さんが決めた値段に、あわせられるか
どうかがすべてなんだよ。』
という言葉に私は
『建築はね、1つの商品を提供するのに10数工程が必要なんだ、
あなた方の商品はそんなに複雑じゃないでしょ・・・』
と答えたのでした。
が、まてよ、もし私が施主だったらこの仕事、いくらだったら納得できるかな?
予算の明示がなくても、、『100万円です。』と言われたら、完全にひくよな・・・
よくあるパターンとしては
『水回りの工事はお金がかかりますよね。それと、面積の小さい工事は
とかく割高になってしまうものですよね。』
などと言いながら、お施主さんを説得するところでしょうが、
小規模工事にロスが発生する事が解っていて、そのロスを価格に転嫁して
いいものだろうか?
まずは、いままで施工業者にまかせていた、材料価格の検討をする事にしました。
基礎工事を例にあげれば、生コンクリート価格と必要体積、型枠材料費、
給排水工事の場合は、排水用塩ビ管材料、給水用管材料、それぞれの役物、
※役物=接続に必要な部品
各工程とも、施工に必要な最小単位の材料まで、拾い出してみることにしました。
VOL.003に続く
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