今日の山梨日々新聞の投書欄に『改修で知った先祖の遺産』という記事が載っていました。
その内容は45年間大工をしてきた方が、築100年以上の建物の改修工事に携わったときに
明治時代の大工さんの仕事ぶりに感嘆したというものでした。
当然の事ながら、当時は電動工具どころか製材所もなく、釘にしてもツマヨウジみたいな形をしていた
わけで、木材どうしをしっかりかみ合わせたり、ゆるくしたりする事で構造の強度・粘り強さを
発揮させていたのです。
その接合方法も、使う木材の特性をよく理解した上でいろいろな収まりが考えられていました。
ちょうな
山に育った生きた木を切り倒し木枯らし乾燥させ、『手斧』で表面を削り、カンナで仕上げるといった
ちょうな=大型の平ノミに湾曲した木製の柄のついた大工道具、現在使われているのはハンドカットのログハウスの現場?
製材所の仕事から、現場の手仕事で行われていたわけです。
(現在、製材所と呼ばれる会社でもこの工程の終了した木材を海外(商社)から購入して、
自社ではプレカットのみというスタイルが多い)
延べ床面積が100坪を超えるような古民家は、
どれくらいの施工期間で何人の職人が働いたのでしょうか?
伝統工法継承擁護という点では、明治以前の建築手法による建物の建築は非常に重要で、
常にそんな現場がどこの地域にも存在して欲しいものです。
製材や、プレカット、新建材等の技術の革新が行われ、工期の短縮をはかったのには
大量生産大量販売という時代背景があった事は間違いないのですが、新素材と伝統工法の手法は
収まりを含めた調和の加減を上手にすれば、面白くて快適な建物ができます。
何かの間違いで100年以上前の大工さんの手元に、現在流通している新素材が届いたとしたら、
きっと面白がるんじゃないかな・・・・・・
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【編集後記】
私の奥さんはよく新聞を読んでいます。今日の本文も家内が発見した記事から書いてみました。
私自身は日経の最終面の『私の履歴書』と1面を眺める位です。
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また取り上げてほしい題材等もお待ちしております。
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