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株式会社夢空間研究所  代表取締役 大久保好朗

2月の上旬にスタイルハウス編集部の方から出稿の依頼を受け、原稿を書きました。
掲載誌「住みたい家まるごと1冊シリーズ vol.1」
2005年2月25日発売
今週の金曜日です。よろしければ、お近くの書店で・・・・・

                                          画像が表示されない場合はこちらから
VOL005  インフォームドコンセント 2005.02.23
  
今回のメルマガはスタイルハウスさんの原稿を書きながら感じた事について・・・・

仮題『どうすれば家は安くできる? 建築家に聞く家づくりのノウハウ』

というお題での原稿依頼でした。(最終的に出稿したテーマは違うものになりましたけど。)

仮題から想像すると、安易に思い浮かぶのはコストダウンの手法の紹介ですね。

きっと編集者の方もそれを望んでいるのでしょう。

現場施工でコストダウンに有効な手段としては、

1.工程数の削減

2.現場施工時間の短縮

の2点です。

安い材料を使う事もコストダウンにつながるのでは?とお考えになる方もいらっしゃると思います。

確かに、水回りなどの設備機器は価格帯が非常に広く、その選択によって建築費が大きく変わる

事が考えられますが、ここでの材料とは、家が完成すると隠れてしまう構造用の材料のことです。

構造用の材料は、一定レベル以下のものを使うと、非常に施工性が悪くなることが考えられ、

材料のコストダウン分を施工で消化されてしまう可能性が出てきます。
(逆に消化されなかった場合ってどんな状況なんだろう?)
この一定レベル以下とはどういうことか?については、またの機会に書かせていただきます。

仮題にある建築家に聞く家づくりというキーワードから想像すると、木造の場合なら、構造木材を

露出させる(たとえば、1階の天井を作らず梁を露出させ、仕上げ工程を簡略化するなど)とかの

工夫を期待しているんだろうな。と思い、原稿を書き始めたのですが、なんかちょっと面白くない

なあ、というか陳腐な感じがしてしまいました。(私自身が陳腐だからです。とほほ・・・)

その理由として、建築全体を金額面で考える時に、私が最も大切だと考えている事は、

コストパフォーマンスだからです。

だけど、コストダウンすればコストパフォーマンスがあがるんじゃないの?って感じますよね。

世間一般では当たり前の話です。コストダウンに関してテクニカルな面で努力する事は、

建物を造ることを仕事としている限り当たり前の事です。

私が仕事を通じてよく感じることは、何かと比較して高い、安いということと同時に

お施主さんの気持ちからくるコストパフォーマンスが一番重要だという事です。

お施主さんの気持ちからくるコストパフォーマンスを向上させるためにどうすればいいのか?

私が心がけているのは、インフォームドコンセントです。

最近の医療機関では、虫歯の治療を受けるときでも、結構しっかり説明してくれますよね。

先生の話を聞くことで、なるほどなーと感心することとかってありませんか?

逆においおいだいじょぶかよ?って感じることもあるかもしれませんね。

患者さんの聞きたい事はなんなのか?ということを的確に捉えて解説できるのが名医なんじゃ

ないかな・・・ と感じています。手術の腕は高性能医療機器がカバーしてくれるはずです。

建築の場合も同じだと思ってます。

ちょっとちがう点は、医療の場合、壊れたものを元通りにする事が目的の大半ですが、

建築の場合は、なにもない所に新しい価値を作り出す。という点でしょうか。

私のインフォームドコンセントが、お施主さんにとって納得のいくものでしたら、

住宅のコストパフォーマンスは非常に高いものになるはずです。



なのであまり厳しい予算は勘弁してくださいね・・・・・病気になってしまいます。

【編集後記】
  ここのところ花粉にやられているようです。毎年やられるんですが、今年の症状は目と鼻の中間あたりです。
  でも、この季節それほどイヤではないんです。春の訪れを感じられる時期って好きです。

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