材料の拾い出しも終え、いよいよ施工の段取りを考えなくてはなりません。
まずは必要な工具の検討です。もともと道具マニアだったため、大工工事
関連の道具は揃えていましたが、水道用となると、ちょっとした手道具位
しかありませんでした。
塩化ビニールライニング鋼管を加工するには、ねじ切りと呼ばれる機械が
ビニールパイプを鋼管で被覆した給水管、湯用と水用がある。
必要になります。
手動式のものもありますが、大工道具を揃えたときの経験上、
いい道具は加工精度が高い。というのが解っていたため、自動式の
マシンの購入を検討しました。 たっ高い、定価32.5万円!
元来の道具好きの私としては、『この道具を買わせてもらうチャンスをいただいたのだ。』
と考え、問屋に発注の電話を入れたのでした。
実際に使ってみて、とても感動しました。鋼管の切断もスムーズです。
なんのへんてつもない鋼管が、このマシンをとおすことによって、
正確なねじ山が生まれるのです。
『鉄をこんなに正確に加工する道具を所有しているのだ。』
という事に幸せを感じてしまいました。かなり重傷な道具マニアですね。
あとで知った事なのですが、管材卸売り店では鋼管のねじ切り・切断サービスを
やっているとの事。購入前に知っていれば、ちょっと悩んだかもしれませんが、
そうゆうサービスが存在するということは、水道屋さんでもねじ切りを所有していない
ところもあるのかな?とも思いましたが、きっと大口径用の鋼管の加工時のことなのでしょう。
住宅の給水給湯工事の場合、水道メーターから屋内への引き込み工事では、
地中部をHIVP内径20mm、屋内の立ち上がり部に塩化ビニルライニング鋼管内径13mm
※HIVP=VOL.003を参照下さい。
を使用します。 HIVPはねじきりの必要はありませんが、住宅用給水工事では、
内径13mmと内径20mmの2口径だけで構成されているため、使用するねじきり口径も
その2種類だけで事は足ります。(購入した機械は2口径切り替え式)
またVOL.003でご紹介した さや管ヘッダー工法でも、
水道メーターからヘッダー部までの接続には、HIVP・ライニング鋼管を使った施工が
必要になります。
ねじのメス側はその接続に応じ、やはりVOL.003でご紹介したエルボやチーズ等、
様々なアタッチメントが存在します。オスねじにヘルメを塗布しアタッチメントと接続する
※ヘルメ=接続部の密着を高めるための塗材
事により、給水回路を構築します。
自分で施工してみて再認識したことは、よい材料と精度の高い機械による施工の重要性と
座学による情報の蓄積が、自ら施工することによってより理解を深める事ができた点です。
また給排水工事は、給水回路の構築よりも、凍結防止のための、ヒーターや保温材の設置に
手間がかかるものだな、ということと、
排水管の勾配と距離、及び固定方法に工夫が必要で、施工時間が割とかかる。
という点でした。
多能工への道 第1部終わり
|
自動ねじりき器
|
|
【編集後記】
編集後記に、うちの娘の事を書くと、うちの女房にうけがいいようです。
滅多にほめられる事のない私としてはうれしい限りです。
★ご意見・ご質問・仕事の依頼等、些細なことでもメール下さい!必ずお返事します。
また取り上げてほしい題材等もお待ちしております。
|
|